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☆☆「鶴の恩返し」☆☆
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| 昔々、あるところんお爺さんとお婆さんが住んじょったげな。 ある日のこつ、お爺さんが畑んしごつが終って、うちに帰ろうと村ん道をさるきよったらと、草むらの方から何か「ゴソゴソ」と音がしたちゃげな。何じゃろかいとお爺さんは草をそっとかき分けち、音んのする方へ近よったら、そこん一羽の白い鳥が、いのししの罠に足をとられちかい、もがき苦しんじょったげな。 「おーこりゃ、こりゃ痛ぇしてたまらんわ。わしが放しちゃるわ。何かいいこつがあるかんしれん」 そう言うちお爺さんは、その鳥を逃がしてやったげな。 家に帰っちかいお婆さんに鳥の話をしたちゃげな。 「今日よね、いっぽんばしのとこじ、鳥がいのししん罠にかかっちょったとよ。あんまりもぞなぎーかい、逃がしてやったっちゃが」 「そりゃいいこつしたわ、あんたもたまにはいいこつすっじゃねーけ」 「あんたも口が減らんね〜たまにはは、よざんじゃわ」 「じゃけんどんが、あんたも何か欲なこつ考えちょったちゃろ、鳥が恩返しに来るかもしれんと思っちょたちゃねーけ。」 と言いながらも、婆さんはこめー頃聞いた「鶴の恩返し」を思い出して、お爺さんと一緒になっち、そん鳥が恩返しに来るのを待っちょったげな。 「遅せーね、まだこんちゃろかい。どっか寄り道しよちゃねーじゃろかい」 「あんたもせっかちじゃねー。そんげなこつをいいよったら来るもんもこんわ!」 ところがその晩も遅くなった頃、期待通りひとりの娘がたずねてきたげな。 「こんばんは〜。旅の途中、足を怪我しました。どうか一夜の宿をお貸しください」 「どんげしたっけ?外は真っ暗でおじーこつねかったけ?と娘のこつも考えんで、延岡弁丸出しで言ったげな。でも何とか通じたようで、お爺さんとお婆さんは、その娘を厚くもてなしたげな。 そして次ん日ん朝、その娘が言うたげな。 「お爺さん、お婆さん、大変お世話になりました。お礼に機(はた)を織ってさし上げたいと思います。どうか機織りを貸していただけませんでしょうか」 お爺さんは待ってましたといわんばかり、ニコニコしながら言うたげな。 「いーど、いーど。そんで機を織っている姿をけっして覗いちゃいかんちゃろ」とお爺さんは聞いていないことをズバズバいうたげな。 「どうして、私が言おうとすることがわかるんですか」 「"気は心"ちゅーじゃねーけ。あんたん気持ちはわかるちゃが!のぞかんかい心配しなんな」 と何かと一言多いお爺さんに娘は、 「お爺さん、お婆さん、お心遣いありがとうございます。それではお借りします」 と言って娘は機織り部屋に入っていったげな。 「お爺さんや、これでおっどんのくらしも楽になんねー」 「そうじゃとも婆さん。わしも畑仕事やらせんでん、左団扇でくらせるかんしれんね」 ふたりは、美しい織物が出来上がるのを今か今かと待っちょったげな。しかし、いっこうに機を織るような音が聞こえてこんげな。ところが何やら「ガタゴト」と物音が長く続いたちゃげな。 そんで心配になった爺さんは、「婆さん、どんげしたっちゃろかい。ちゃんと織りよっちゃろかい。そっと覗いちみよかい」 「待っちょこや。ちっと我慢すっや。ここで覗いたら元も子もなくなるもしれんよ」 「そんげなこつ言うても。わからんごつ、ちょっとだけならいっちゃねーけ」 「あんたホントにせっかちじゃねー。どんげなってん知らんよ」 そんげな婆さんの声に耳も貸さないお爺さんは、お婆さんが止むるのも聞かんで、そっと部屋を覗いたげな。したらそこには、一羽の鳥がでーじな家財道具を唐草模様の風呂敷につめちかい飛び立とうしている姿があったげな。ひったまげたお爺さんは、 「あんた何しょっとけ〜。ドロボー」でもその時はもう遅かったげな。鳥は、他の鳥達と一緒にサッサと運び去って、おらんなってしまったげな。 結局、お爺さんが助けた鳥は"鶴"じゃねーしてかい、"鷺(サギ)"じゃったげな。 でじな家財道具を取られたお爺さんとお婆さんは、3日3晩くやしーしちかい寝られんかったげな。 (教訓) うめー話には注意すっや!欲もほどほどにせにゃいかん。 |
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